世界史オンライン講義録

明 日 へ つ な が る 学 び の 場

044 ドイツとソ連の猛撃

さあこれから第二次世界大戦と戦後の新しい秩序の形成を一緒に勉強していくことになります。今回の授業では,第二次世界大戦の動き,そして第二次世界大戦が終わった後の動きが一体どうなったのかに注目しながら勉強していきましょう。

 

これまでの授業を思い出してみてください。前回の授業では,世界恐慌ファシズム諸国の侵略を見てきました。第一次世界大戦が終わって,新しいルールを作って,第一次世界大戦後の新しい歩みを各国が見せたんですけれども,世界恐慌によってそういう協調関係は全て崩れましたね。特に,植民地を持っている国はブロック経済と言って自分の植民地との貿易に切り替えて,それで生き残ろうとしましたね。そうやって植民地を持っていない国を見放したんです。そうすると,日本やドイツやイタリアは,「じゃあ植民地を俺にもよこせ!」っていう動きが強まってきて,それがファシズムと呼ばれる連中が力をつけてきたのでした。特に,ドイツのヒトラーは,反ソ反共の精神で,「いつか倒してやるから俺の言うことを聞け!」というような形で暴走を進めてました。いよいよドイツとソ連独ソ不可侵条約を結び,世界大戦の足音が徐々に近づいてきた。これが前回の授業のおさらいでした。

 

そして,今回ついに第二次世界大戦が始まってしまいます。ドイツとソ連が手を組んでヨーロッパ諸国を駆け巡っていく話なんですが,まず今回は,その手を組んだドイツとソ連がヨーロッパを駆け巡る話となります。この2つが手を組むとは思っていなかったヨーロッパの国々は完全に油断していました。そして,ドイツの新しい戦術に全くヨーロッパはついていけなかったのです。次々と占領されていく様子を今回見ていこう思います。ところが,このドイツとソ連ですが,最初は手を組んでいたんですが,途中で喧嘩をしてしまうんですね。それは何故かというと,実はドイツとソ連,この2カ国の狙う地域がかぶってしまったんですね。それが,バルカン半島です。ドイツは,このバルカン半島目指して下りてくる。そして,そこはロシア時代から狙っていましたよね。そのため,ドイツとソ連バルカン半島を狙ったことで両国の関係は一気に悪化してしまったんです。