世界史オンライン講義録

明 日 へ つ な が る 学 び の 場

031 新文化運動と中国の民衆運動(教科書346ページ)

さあこれから戦間期のアジア諸地域を一緒に勉強していくことになります。皆さん思い出してみてください!2学期の最後の方で,第一次世界大戦後のアメリカやヨーロッパといった欧米諸国の北の動きを見て行きました。今回は,そのスポットライトをアジア全体に当てます。アジア全体ではいったいどういう動きがなされていくのか今から一緒に勉強していきましょう。

 

まず悲しいお知らせをいたします。当時のアジアの国々ははっきり言って弱かった…。アメリカやヨーロッパに太刀打ち出来るような国はほとんどなかったアジアで,当時植民地化されていない地域というのは日本ぐらいなんですね。それ以外の地域は,必ずどこかの国に支配をされてました。そのためアジアの地域では大戦後に行ったヨーロッパの国々が「今弱ってるじゃん!チャンスじゃね?独立するなら今がチャンスじゃねえか?」ってことで,独立運動や民族運動というのが起きます。しかし,その独立を求め運動は国によって大きな特徴があるので,まずはその国の特徴は一体何なのかという大まかなお話をしていきたいと思います。

 

まず一番注目してほしいのは今回取り扱う中国です。中国はなんといっても人口がたくさんいますよね。人が多くいるので,中国の民族運動というのはたくさんの人たちを使ってみんなで「外国出て行け!外国出て行け!」といったプラカードを掲げて民族運動しようと考えたんです。そのためには中国の国民一人一人の意識を変えていかなければならないわけですよ。知識人が一人で焦っても意味がない。何億もの人で「今の中国は植民地化されていておかしい!」と思わなければなりません。そこで,出版物本とかを通して人々の意識を変えていく新文化運動というのが始まります。そして,人々の意識を根底から変えていくんです。「なんで今の中国は植民地化されてるんだ!おかしいぞ!」そこから,国民を巻き込む大規模な民衆運動にしていこうというのが今回のお話です。